パソコンのシステム時刻は放っておくと少しずつ狂ってしまいます。 ・・・サーバーとしては、それでは困るので自動で正確な時刻に合わせてくれるように、ntp サーバーを使用します。 ntp とは、パソコンのシステム時刻を正確に保つための通信方式のことです。
インストール確認 & インストール
下記のコマンドでインストール確認をしてください。[root@Linux root]# rpm -qa | grep ntp
ntp-4.2.0-10vl4
上記のように表示されれば OK です。ntp-4.2.0-10vl4
※ バージョンは異なります。
何も表示されない場合は、下記コマンドでインストールしてください。
[root@Linux root]# apt-get update ← パッケージリストの更新
[root@Linux root]# apt-get install ntp ← ntpインストール
[root@Linux root]# apt-get install ntp ← ntpインストール
ntp の使い方
ntp の使い方は、いたって簡単で下記のように ntpdate の後に ntpサーバー を入力するだけです。[root@Linux root]# ntpdate ntp.asahi-net.or.jp
Looking for host ntp.asahi-net.or.jp and service ntp
host found : orion.asahi-net.or.jp
20 Jul 19:41:23 ntpdate[11858]: the NTP socket is in use, exiting
上記の例では、ntpサーバー に ASAHIネット様 を使用しましたが ntpサーバー は、ご自分のプロバイダーが ntpサーバーを用意していればそれをご利用ください。 無い場合は、wiki@nothing に色々ありますので最寄りの ntpサーバーをご利用ください。Looking for host ntp.asahi-net.or.jp and service ntp
host found : orion.asahi-net.or.jp
20 Jul 19:41:23 ntpdate[11858]: the NTP socket is in use, exiting
※ ntpサーバーの選択ポイントとしてはご自分の地域に近いことと、あまり混み合っていないところがよいです。
次に、上記はあくまでも Linux のソフト側の時刻の設定なので、ハード側(PC 本体)の時刻も設定します。
[root@Linux root]# hwclock --systohc
これで、ハード側の時刻がソフト側の時刻と同期しました。ntp の自動更新の設定
上記手順でサーバーの現在の時刻は正しくなりました。 しかし、これを手動で行うのは面倒なので自動で行うように設定します。/etc/ntp.conf を開きます。
driftfile /etc/ntp/drift
broadcastdelay 0.008
server ntpサーバー
server ntpサーバー
server ntpサーバー
server ntpサーバー
最終行に上記のように追記します。 ntpサーバー は最寄りのものを指定してください。broadcastdelay 0.008
server ntpサーバー
server ntpサーバー
server ntpサーバー
server ntpサーバー
上記のように、複数指定することも可能です。 ・・・4個くらいは指定した方が良いかも知れません。
※ 青文字部分はデフォルト・・・だと思います。
ntp の起動
[root@Linux root]# /etc/rc.d/init.d/ntpd start
ntp の自動起動の確認
[root@Linux root]# chkconfig --list ntpd
ntpd 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off
3~5 が ON なら OKntpd 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off
OFF だったら下記コマンドを実行
[root@Linux root]# chkconfig --level 345 ntpd on
自動更新の確認
15分位待ってからから、自動で更新されているか下記のコマンドで確認してください。[root@Linux root]# ntpq -p
remote refid st t when poll reach delay offset jitter
==============================================================================
*ra37-vlan566.nc 133.11.0.23 2 u 4 64 377 9.502 1.617 1.360
+vrt-wan2-v02.ni 133.243.3.209 3 u 58 64 377 13.491 0.940 0.555
+ns5.rdc1.kt.hom 172.25.72.67 2 u 2 64 377 9.788 1.531 0.692
-ns.airnet.ne.jp 210.173.160.57 3 u 447 512 37 9.663 2.730 1.146
+sirius.qtnet.ad 210.173.160.87 3 u 57 64 377 27.208 2.303 0.719
重要なのは、行の先頭のマークと行末の jitter です。remote refid st t when poll reach delay offset jitter
==============================================================================
*ra37-vlan566.nc 133.11.0.23 2 u 4 64 377 9.502 1.617 1.360
+vrt-wan2-v02.ni 133.243.3.209 3 u 58 64 377 13.491 0.940 0.555
+ns5.rdc1.kt.hom 172.25.72.67 2 u 2 64 377 9.788 1.531 0.692
-ns.airnet.ne.jp 210.173.160.57 3 u 447 512 37 9.663 2.730 1.146
+sirius.qtnet.ad 210.173.160.87 3 u 57 64 377 27.208 2.303 0.719
先頭のマークが + - * などでしたら、安定動作にはいっているので問題ありません。
jitter の数値が大きい(10.0以上)場合は、時刻の精度が良くないと言うことなので、他の ntpサーバーに変更した方が良いでしょう。
変更する際の jitter の数値が小さい ntpサーバーを探す場合は下記コマンドで直接見た方が早いです。
[root@Linux root]# ntpq -p ntpサーバー
ntpq -p の詳細説明
先頭のマークの意味距離が遠いため、使用不可 | |
x | 同期検査不合格のため、使用不可 |
. | 利用者が多すぎるため、使用不可 |
- | クラスタリング検査不合格のため、使用不可 |
+ | 使用可能 |
# | 距離が遠いが使用可能 |
* | 現在同期中 |
o | PPSによる間接同期中 |
remote | ntpサーバー名 |
refid | 参照元のIPアドレス .GPS. などのソースが表示されることも。 初期化中は .INIT. や .STEP. になるので、しばらく待ってみる。 |
st | サーバの階層(stratum)番号が表示されます。 1なら1次サーバー。 1次サーバーはアクセスが集中するので 近場の2次(以上)のサーバーを探してください。 |
t | 階層の種類。 ( l: local, u: unicast, m: multicast, b:broadcast ) |
when | 最終同期からの経過時間(単位:秒) |
poll | 同期間隔(単位:秒) 安定してくると徐々に長くなる。(最大1024) |
reach | 過去8回分のチェックの成功の是非を8進数で表示。 |
delay | 信号の平均遅延時間(単位:ms)。 |
offset | サーバーとの時刻のずれ(単位:ms) 10ms以下なら問題ない。 |
jitter | 同期時のタイミングのばらつき(単位:ms)。最初は統計が少なくて乱高下するので、同期開始から1日ぐらいしないと値を信用できない。一番大事なのはこの値。 10ms以下なら問題ない。 |
Windows の時刻合わせ
・・・さて、正確な時間を刻むサーバーができたので、これを Windows PC の時刻合わせに使いたいと思います。※ この説明は、Windows XP になります。
コントロールパネルより 「日付と時刻」 を開きます。
「インターネット時刻」 タブをクリック
「自動的にインターネット時刻サーバーと同期する」 にチェック
「サーバー:」 に、自宅サーバーのローカル IPアドレスを入力
「今すぐ更新」 をクリック
正常に同期されれば OK です。
・・・同期できない場合は、自宅サーバーのファイアーウォールなどの確認をしてください。 ローカルすべて許可など・・・
以上終了です。 ペコリ(o_ _)o))
参考 のくす牧場